LINEで送る
Pocket

友人から誘われて2017年12月24日に行われた女子プロレスのナンバーワン団体・スターダムの年内最終興行を観戦してきました。会社員時代は週刊プロレス・格闘技通信という雑誌に記事を書いたこともあり、今でもテレビ観戦は結構するのですが、生観戦は久しぶり。若手の試合からタイトルマッチ・主力選手の引退試合まで様々な試合を楽しみました!

スターダムとは

スターダムは日本の女子プロレス団体です。今は女子プロレスの団体もたくさんあって、団体間の交流戦・対抗戦も盛んですが、スターダムは自団体+フリーランス選手の起用が多めで「ここでしか見られない」カードを重要視している傾向があります。

所属選手が業界最高のアメリカのプロレス団体・WWEへ移籍した実績もあり、プロレス自体もさることながら選手個々の「魅せ方」にも長けている印象です。

個々の試合の流れや正確な結果はオフィシャルの試合結果ページをご覧ください。以下はこの団体を初めて生観戦した、いちプロレスファンの感想です。あと、写真ですがリングロープにフォーカスが当たってしまうケースが多くていろいろしくじりました。この辺は今後の観戦で改善させます。すまん。

オープニング

オープニングではスターダムではおなじみのKちゃんパンダのダンスからスタート。風香GMも一緒に踊りつつ興行が始まります。バックステージ上にこの日の対戦カードが続々と紹介されいよいよ試合開始です。

3人の若手にベテランが入る第1試合。ベテランの組み立てが試合のクオリティを決める

第1試合はタッグマッチ。

羽南(はなん)
◯渋沢四季
VS
×ルアカ
米山香織

羽南選手・ルアカ選手は2004年生まれ。羽南選手は今年デビューでルアカ選手は昨年のデビューです。渋沢選手も20代半ばながら今年デビューで、キャリアの浅い3人が登場しました。タッグマッチでしたのでもう一人必要ですが、ここに起用されたのがフリーランスの米山香織選手。1999年デビューのベテランといっても差し支えない選手です。

プロレスの第1試合は大切です。相撲やボクシングですと単にランキングの低い人の戦いが組まれることがありますが、プロレスもその要素を省けないにせよ興行を「あたためる」という大切な役割があるんです。

そのためには元気いっぱいの若手の頑張りを見せることもあるし、玄人受けするテクニシャンを起用することもあります。

観客に向けて舌を出しブーイングを煽るベテラン・米山選手

この試合は若い3人が新鮮で元気なプロレスを見せ、米山選手が要所要所を締めてプロレスを高品質なものにしていくという組み合わせですね。観客のブーイングを煽ったりするのは米山選手の上手いところ。そうやって試合を盛り上げつつ、柔道経験のある羽南選手の大外刈りや渋沢選手のドロップキックなどが炸裂しました。

3人とも受け身をしっかりとっていて、相手の技を受けるシーンも安心してみていられました。今後も頑張って欲しいメンバーです。

「レジェンドのマネージャーの娘」に驚かされた第2試合

スカーレット
◯レイチェル・エラーリング
VS
×AZM(あずみ)
渡辺桃

試合前の風香GMのアナウンスで一瞬どよめきました。レイチェル・エラーリング選手のお父さんは元プロレスラーで、1980年代〜1990年代にも日本で活躍したロード・ウォリアーズのマネージャーをしていたマッチョな人です。レイチェル自身も世界最大の団体・アメリカのWWEで試合経験があるスターです。

コーナーでトリッキーな動きを見せるレイチェルがしっかり決めてみせ、AZM選手を一蹴しました。

AZM選手と渡辺選手はクイーンズクエストというユニットを結成しています。

女子高生ファイターとして人気・実力ともにうなぎ登りの渡辺桃選手、この日はちょっと消化不良だったかもしれませんね。次に観戦するときにはより良いファイトをみたいです。

黄色と紫がレイチェル選手、赤がスカーレット選手

スカーレット選手、いわゆるブロンド・美人・セクシーといった人気の出る外国人レスラーの要素を全て兼ね備えていました。満点。

ヒール(悪役)ユニット・大江戸隊にキャッチフレーズを奪われそうになる

小波
◯美邑弘海
VS
夏すみれ
×クリス・ウルフ

美邑選手は2015年デビューながら「シャウト!」とシャウトする元気有り余る試合姿勢と、決め技を狙うときのタメが長すぎて必ず相手に躱されてしまうコミカルさがウリのホープ。映像制作やプロレスラーも所属するマルチな企業・GPSプロモーション所属でスターダムの常連・小波選手と組んで、団体のヒール(悪役)ユニット「大江戸隊」のメンバーの二人と戦いました。

上手い悪役のいるプロレス団体は戦いが活性化されます。対立構造が作りやすくなるから。夏すみれ選手はなんだか妙にたっぷりある色気を滲ませつつ体格を生かしたファイトを見せ、フィリピン系アメリカ人のクリス・ウルフ選手は小さいながらも身軽な動きを随所に見せ、立体感溢れる動きを見せました。

煽りが長すぎて「シャウト」の後の攻撃は決まらない

試合前から夏選手が美邑選手の「シャウト」をよこせ、と謎の要求を見せ、勝った方が使うと宣言していましたが、無事美邑選手がシャウトを守り抜きました。

今回の開催で最も気に入ったクリス・ウルフ選手。また見たい。

クリス選手、動きがキビキビしていてよかったなー。この日の興行で強く印象に残った選手です。気に入りました。

ベテランに天才少女が挑戦したハイスピード選手権

ハイスピード選手権

◯マリー・アパッチェ(王者)
VS
×スターライト・キッド

マリー・アパッチェ選手は1998年から来日。妹のファビー・アパッチェとともに日本リングで大暴れしました。

大きな身体をしながらも、メキシコ特有の空中戦と関節技を使う「ルチャリブレ」のテクニックにも優れたマリー選手は団体のハイスピード選手権というベルトをもっています。

体格差のありすぎる二人

そこに挑戦するのが2015年デビューの素顔・生年月日など未公表のスターライト・キッド選手。キャッチフレーズが「星の光の天才少女」なので、きっと中高生なのでしょうと想像しておきます。

スピードでスターライト・キッド選手がかき回すのですが技の重さはマリー選手が上。最後はマリー選手の投げ技に屈しました。

スターライト・キッド選手が場外へ華麗にダイブ!

スターライト・キッド選手は空中姿勢も綺麗で小柄ながら見栄えの良いレスラーでした。怪我に気をつけて、スピードを落とさずに成長してほしいものです。

ヒールユニット「大江戸隊」の完勝。ゴッデス・オブ・スターダム

◯木村花
花月
VS
×刀羅ナツコ
ジャングル叫女(きょうな)

2対2の試合をプロレスではタッグマッチといいます。そのタッグマッチのベルトを掛けた試合となり、悪役ユニットの大江戸隊のメンバーがベルトを守りました。

木村選手はお母さんが元プロレスラーの木村響子さん。お母さんはアフロな髪型やデスマッチ・総合格闘技も辞さない熱血ファイトを見せ、感情が伝わる好レスラーでした。花選手は164センチという身長以上に大きく見せるスタイルの良さも見どころです。

花月選手のキックは痛みが伝わる「蹴撃」

花月選手は大江戸隊のリーダーで、マイクアピールが本当にうまい。現代のプロレスではマイクのうまさはとても重要で、声も話す内容もしっかりはっきり伝わる花月選手はリーダー向きです。ファイトスタイルはキレのある多彩な蹴り技が中心。痛みの伝わる打撃を見せました。

大江戸隊はヒールらしく、すでに試合の終わった夏すみれ選手やクリス・ウルフ選手らがちょくちょく試合に介入します。反則が即勝敗に結びつかないのがプロレスの奥ゆかしいところで、それをいかしながら木村選手が刀羅選手に勝ちベルトを防衛。

刀羅選手、ジャングル選手はちょっと存在感が薄くて、大江戸隊にうまく持っていかれた感じがありました。

ヒールに対する善良な人たちのことを「ベビーフェイス」と言いますが、ベビーフェイスはとかくアピールが難しいところ。観客が「おいおい大丈夫かよ」と思ってしまうくらいのやられっぷりと、そこから満を持した反撃のメリハリをうまくつけて、頑張ってほしいです。

エースの矜持を見せつける!ワンダー・オブ・スターダム

◯紫雷イオ
VS
×HZK(はづき)

最後の試合は主力選手の引退試合。シングルのタイトルマッチがセミファイナルで行われました。

今日本一の女子プロレスラー・紫雷イオ選手。この日は相手を容赦しない「キラー」モード。

普段はクイーンズクエストという同じサイドにいる二人。以前の対決で15分引き分けという結果を残したHZK選手のアピールをイオ選手が受ける形で試合が成立。イオ選手は3年連続で女子プロレス大賞を受賞した、現在の日本女子プロレス界のエースです。HZK選手に「潰すよ」という宣言通り非情なプロレスをイオ選手が見せました。

俗に言う横綱相撲という言葉は、格下の相手に十分に当たらせたのちに自分の形に組んで完勝する形を指します。プロレスでも、相手の見せ場を十分に作り、技を受け切ってから勝ち切るのが強い選手の「らしい」勝ち方と言えます。

「逆エビ固め」は身体の柔らかい女子でも厳しい。じっくりと痛めつけるイオ選手

この日のイオ選手はその流れに反し、序盤からHZK選手をいたぶります。打撃・関節技を織り交ぜてなかなか反撃の機会を与えません。全体的にみて7:3から8:2くらいの割合で攻めていた印象があるイオ選手が、最後は相手の足と背中を痛めつけるテキサスクローバーホールドという技でHZK選手をギブアップさせ完勝しました。

最後の技「テキサス・クローバーホールド」でギブアップを取った瞬間。HZK選手が逆コの字に曲がっちゃってる

自信をもって誰にも負けないと言えるところがあるか?それがないから器用貧乏。15分ドローまでは持っていけても私を倒すことはできない!

そうパートナーを叱咤したイオ選手の心は、来年以降のHZK選手の飛躍を願ってのことでした。いやあ、イオ選手の説教、フリーランスの僕にも響く言葉でしたよ。

美闘陽子引退試合はプレミアムマッチに

◯トニー・ストーム
里村明衣子
VS
彩羽匠
×美闘陽子

マスクをつけて入場した美闘選手。これがラストマッチ

美闘選手は団体の旗揚げメンバー。その引退試合がこの興行のラストマッチとなりました。好勝負を演じた彩羽選手をパートナーに、現タイトル保持者のトニー選手、未対戦ながら女子プロレス界のレジェンドとも言える里村選手を相手に激闘を繰り広げました。

女子プロレス界のレジェンド・里村選手。もはや貫禄しか感じない

もとから体力や年齢の限界で引退する形ではないだけに、試合はきっちりとしたもの。彩羽選手・美闘選手のコンビ攻撃や美闘選手の得意技も随所に繰り出しますが、レジェンドとチャンピオンの攻撃で惜敗した美闘選手。お情けで勝たせるようなカードを組まず、この団体で実現しうる最高の対戦相手に撃沈したのは、美闘選手の良い散り様だったように思います。

引退セレモニーでは世界で活躍するあの人も

美闘選手(左)とカイリ選手(右)

試合終了後に美闘選手の引退セレモニーがありました。所属レスラーや関わりの深いレスラー・関係者などが花束を渡すなどした中、2017年途中まで所属し、アメリカ・WWEで今は活躍しているカイリ・セイン選手がサプライズ登場、美闘選手を喜ばせました。

WWEのスーパースターが日本で見られたのはお得なサプライズでしたねー!

女子プロレスでは恒例の紙テープ投げ。引退時のテープなので本人が隠れる程のテープが投げ込まれた

若い選手の頑張りとエースの存在感が大きな団体

初めてみたスターダム。中学生・高校生の年代の選手の頑張りとエース・ヒール・外国人選手の存在感が強い団体だなあと強く感じました。

勝利後のイオ選手。ツヨキレイ。

エースのイオ選手は前述したとおり、3年連続女子プロレス大賞受賞。文字通り女子プロレス界全体のエースでもあり、団体の至宝でもあります。流石にイオ選手に匹敵する選手が一朝一夕に育つとは思いませんが、これが育ってくると2018年のスターダムはさらに熱いファイトが見られるようになるのではないでしょうか。怪我で欠場中の中軸選手・岩谷麻優選手の復帰と、岩谷選手の居場所なんかもうないよ!と言い切るくらいの成長株の出現を楽しみにしたいです。

個人的にはクリス・ウルフ選手が気に入りました。応援しようっと。

LINEで送る
Pocket

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。