取材をして文章を書く仕事をしているので、どこかに取材に行く、ということはまああります。
取材はなんだかんだ乾坤一擲です。ほとんどの場合イチからのやり直しなんて効きません。だからこそ取材対象の勉強をする準備はもちろんのこと、道具の面でも失敗しないように気をつけておきたいものなんですよね。
例えば
「カメラが壊れてしまったのでスマホで写真を撮りました!」
と仕事のご依頼主に言えますか?ボクはなかなか言えません。もちろんスマホでの撮影が許されているのであれば別の話ではありますけれど。
そこで、僕が取材の際に持っていく道具の中で壊れても代替機がある「2重化」について書いてみようと思います。少なくともこれで大部分は安心出来ていますからね。
みなさんはどんな2重化、していますか?
~ 目次 ~
1)デジカメは2台持っていく
同じマウントの、違うレンズをそれぞれつけたカメラを持っていきます。合計2台。
僕の場合は、14-140(50mm換算で28-280)と12-35(同 24-70)をいつも持っていきます。
自分の取材で100mmを超える望遠はほとんど必要ないことが分かっていたりするので、これで自分のバックアップ機としては役立っています。
両方壊れていない場合だと、ちょっと望遠で撮りたい、というときだけ14-140のレンズがついてるカメラを使う、なんてやり方もありますね。レンズ交換やズームをいじらなくて良いので楽なケースがあります。
仕事をしていて
「すいません、デジカメ壊れたんで撮影できません」
って言い訳になりませんから。特に取材仕事の原稿は一発勝負なので、壊れたから撮れなかったというのは理由になりません。
スマホのカメラをセカンダリにするのはちょっと力が足りないかなあと。僕はミラーレスだけれど、それでもカメラを2台持っていくことでとても安心できます。
それぞれにレンズをつけておくことで、レンズの故障にもなんとか対応できます。
2台持っていくときは、できるだけ2台とも使って撮影します。同じものではないですけれど撮影データが複数にあるの、とても安心。解像度をあわせておけば、後で整理するときにも簡単ですね。
2)入力環境を2つ持っていく
エースはPomeraDM200。
でも、万が一のバッテリー切れや故障のためにiPad+スマートキーボードの組み合わせも常備します。
ポメラは流石に文具メーカーの自信作だけあって壊れませんし動作も安定してます。
でも取材先で落としたりバッテリーが切れたりする可能性はあるので、念の為iPadを準備。
ポメラ優先なのは、文字入力ツールとして遥かにポメラが勝ってるから。
昔はバックアップがパソコンだったけど、最近はiPadにできたのは少しだけ荷物の軽量化に寄与しています。
3)スマホを複数台持っていく
スマホはいろいろ使えるので複数台あると便利。
軽い作業はすべてスマホに任せられますからね。
そしてスマホは不意に落としたり水没することもある、危うい小物でもあります……。
- 取材のときの音声録音
- バス停などの時刻表のメモ
- 宿泊するときの目覚し時計
- ちょっとした電卓利用
- 電車で立っているとき、カフェでお茶飲んでるときの情報収集
スマホでやりたいことはたくさんあります。これらが出先でできなくなると不便だから予備のスマホが一つあると安心。今どきの30000円くらいのスマホで十分です。
4)マイクロSDカードも複数使えるように
デジカメでメモリカードが故障すると本体の故障と同じこと。それでは意味がないので予備のカードは持っておきたいところです。
でも、予備のカードは小さすぎてなくしやすかったり。
そんなこともあるので、POMERAやスマホにはマイクロSDカードをカードアダプタに挿した形で入れて、いざというときのバックアップ用途に使います。
デジカメが2台、POMERA1台、スマホ2台はあるのでマイクロSDカードが合計5枚はあります。これだけあるとどうにか使いまわしが効くでしょう。POMERAとスマホは、カードがなければ本体に記録してくれますしね。
このくらいやっておくと、割と安心して出先で仕事できます。それぞれは大した荷物ではないので、まあそこまでひどい重量にはなりません。
このくらいのケアでお客様に「機材トラブルで仕事できませんでした!」っていう危険がほぼ排除できるので、できることは一つでもやっておいたほうが良いよ!と思った次第です。
電池なども予備を持っていこう
電池交換式のカメラの分は、予備の電池を一つ持っていくと安心度が高まります。
僕の場合は予備カメラがUSBで充電できるタイプなので、メインが仮に電池切れになっても大丈夫といえば大丈夫なんですけれどね。
少し安い製品でも良いから2重化しておいた方が良い
オーバースペックの高級カメラを一台買うよりも、中級のカメラを二台持っている方が仕事として確実にこなせるという場合は結構あります。この方が安全というのは数学的に考えても分かります。
90%正常稼働する(いや低いですけれど例えね)カメラが使えない状態の確率は10%
70%正常稼働する(もちろん低すぎですけれど)カメラが2台とも使えない状態の確率は(1-0.7)×(1-0.7)=0.3×0.3=0.09=9%
7割しかちゃんと動かないカメラが2台同時に壊れる確率の方が、9割ちゃんと動くカメラが壊れる確率よりも低いんですよ。
まさかのときに安心できるよう、大切な部分はしっかり「二重化」を考えておきたいですよね。