ネット選挙

東京都知事選、SNSユーザーが気を付けた方が良いこと

2014/01/29

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東京都知事選は2月9日の投票に向けて、各候補者が都内では熱心に活動しています。

我々有権者がSNSなどネットの仕組みを利用して何をしたらマズイのか、何は大丈夫なのかを、ざっとまとめました。


2013年の夏にあった参議院選挙は「ネット選挙」といってちょっと話題になりました。

まあネット選挙といっても、ネットで投票できるわけではないのです。候補者や支援者がインターネットの仕組みを使ったツールで何かしらの行動がとれるようになれましたよ、てな類のものでして、まだ試行段階ともいえる状況じゃないでしょうか。

参院選の時にSNSユーザーがネット選挙でしていいこと、いけないことを考える勉強会を開催した経緯がありますので、今回、2014年2月9日に投票される東京都知事選挙も参院選同様の「ネット選挙」ではありますので、忘れてしまっている方にも簡単に

・やっていいこと
・やってはいけないこと

を整理しておきたいと思いマス。

※2014年2月の都知事選に向けて書いたものですので、その後のネット選挙ではルールが変わっている可能性があります。
※2014年2月の都知事選以外の選挙では責任をとれません。

※内容は確認しておりますが、もし間違いを見つけましたらご一報いただけるとうれしいです。修正します。

総務省が、2013年夏の参議院選挙に向けて、改正公職選挙法のガイドラインの資料を公開しています。

こちらからダウンロードできます(PDF)

まあ読めないですよね。僕も読む気になれません。頑張って目は通したけれど。
でもうかつなことをして逮捕されたくありません。

で、これらの資料を読み込んでくださったことをシェアする勉強会を開催したので、
その経験をもとにお話します。

ネット選挙勉強会 ~ブロガー・SNS利用者がしていいこと・いけないことはなに?を考える~ on Zusaar

※同様の内容の開催をご希望の方、ご連絡下さい。ご相談に応じます。

本来ダメだったことはネットでもダメ!

そもそもの公職選挙法の規定は守ろう、というのは根本的なことです。
ネット選挙の様々なルールは、これまでの選挙をネットに対応させたものです。
これまでダメだったものは、ネットでもダメというのが前提です。

まあ、公職選挙法の条文なんて普通の人は読まないですよね。読めって話ですけれど。

かいつまむと・・・。たとえばこんなのが挙げられます

事前運動の禁止
(公示日前に選挙の活動はするな)
投票日の選挙運動禁止
(投票日に選挙の活動はするな)
未成年者の選挙運動禁止
(未成年者は支持者の応援とかすんな)
→2016年夏の参議院選挙からは「未成年」が「18歳未満」にかわりますね。18歳以上に選挙権が与えられます。
なりすましとか誹謗中傷は、そもそもダメ
(理由なき悪口言うな、人のふりして何か言うな)

たとえ
ネットの世界では常識ジャン!
と思うことでも、これまでの選挙のルールは遵守するわけなので、世間の非常識にあたる部分は控えましょう。

投票日に宣伝しちゃだめ

これ、結構わかりにくい、というか、わかってない人が多いと思いマス。僕もそうでした。
選挙カー、投票日当日って走ってますか?走ってないですよね?
これが、「選挙運動(候補者がよろしくお願いします!とお願いできる行動)をして良い期間は投票の前日まで」という規定なんですね。

政党の人、支持者や応援者が選挙の当日(今回の都知事選で言えば2014年2月9日)に、TwitterやFacebookで
「ぜひ○○さんに投票してください!」
ってやると原則NGなんです。

「では、期限前投票したときに誰に投票したか明言しちゃだめなの?」

・・・わかりません。
恐ろしく影響のある人が発言して、選挙管理委員会に怒られるとか、逮捕されるとかしたらNGでしょう。
ネット選挙の有権者側って、おそらくまだ逮捕とか書類送検とかされていないと思うんですよね。なので事例が集まってないので、
どこまで大丈夫かがわかりません。

未成年者の選挙運動はネットでもだめ!→18歳未満の選挙運動はネットでもだめ!

→ここは2016年夏の参議院選挙から、18歳以上の人には選挙権が与えられています。
つまり、選挙運動も18歳以上なら行えます。

総務省のチラシから。


総務省|「選挙」を知って、実際の選挙に備えよう|18歳選挙
こちらも参照してください。

17歳以下は
TwitterのRT
Facebookのシェア

もだめです!
未来の日本を支えるのは今の若い人たちなのですが・・・。選挙に関係しちゃダメっていうのはちょっとなあ・・・と個人的には思います。
まあでも、現行ではダメなもんはダメなので、僕からはこれ以上は言えないっす。

よろしくないこと

2014-01-29_20h12_20

ネット選挙ならではっぽい例を挙げておきますね。
せっかくネット選挙を盛り上げてくれようとしていても、これはダメと規定されているので、だめなんです。残念。

※これまでビラをコピーして配った一般人っていなかったのかな?いても見つからなかったのかな?そのあたりわかりません。

一般有権者は候補者からのメールを転送してはダメ

総務省のチラシを、読んでみましょう。

たとえ適切な選挙期間中でも、有権者のメールによる選挙活動はだめ。
ここでいうメールとはSMTPというプロトコル(コンピューターの通信手順)を使った手段です。

例:一般人(有権者)が
「家入さん、ちょーいい!投票しようぜ!」
「細川さんのバックが小泉さんだから安心だよね!投票しようぜ!」
「ドクター中松に東京を発明してほしい!」
などとみんなに言いたかったとしましょう

こういうことをブログで書くのは大丈夫。ただし、ブログの運営者へ連絡が取れるようになっていること。
LINEで書いても大丈夫。
Twitterで書いても大丈夫。
Facebookにのせても大丈夫。

でも、Gmailで書いたらだめ。
Gmailでなくても、電子メールでやり取りしてたらだめ。

Webで応援することはできるけれど「表示義務」があるので、書いた本人に連絡を取れるようにする必要があります。
メールアドレスをさらす、Twitterアカウントをさらす、など。

演説の動画中継や、その内容をブログに書いたりすることも大丈夫。

落選運動は条件つき

「この人はふさわしくない」ということを適切な根拠をもとに伝えるのは「落選運動」です。
その落選運動にほかの候補者を当選させる目的がなければ選挙運動にはあたらないけれど、誹謗中傷との境目に注意しないといけません。

落選運動って名誉棄損などとの境界線が難しいと思いませんか?
自分がただの落選運動だと思っていても、その候補者があとから名誉棄損だ!って訴えてきたら、一般市民は弱いですよね。
自分基準でなく、対象の人や世の中の基準で考えないとアカンです。
あんまりへんなことはしない方がいいです。

候補者のWebサイトなどプリントアウトして配ったらだめ

選挙ってのは、候補者が印刷していいビラに制限があるのですわ。
ですから、有権者が善意でプリントアウトして周辺に配ると、よろしくないことになってしまいマス。

こうやって盛り上げよう!

いろいろいい、だめ、ってありますけれど。
でも、せっかくネット選挙が解禁されているんですから、明らかに大丈夫なところで盛り上げましょう!

特定候補に触れずに選挙を盛り上げることは何ら問題ない

これは「選挙運動」にはあたらないから、未成年だろうが投票日だろうが、何を書きこんでも大丈夫。

つまり、投票日当日に
「私は誰誰に投票しました」って書くと応援(選挙運動)にとらえられる可能性はある(この件で問題にされた人がいないから真実はまだわからない)けれど
「私は投票してきたよ。みんなは行った?」って書くのは選挙を盛り上げるということ。

でも期日前投票の際に「○○に投票しました」がアウトになるかはわからないので、これまた難しいんですよね・・・。
個人名を出さない投票の啓蒙は、誰がどのようなツールでやっても大丈夫です。

選挙系の情報発信は慎重に!

何せ日本の法律とか個人の名誉に絡んでくるので、慎重になりましょう。

選挙系の情報発信をしたければ・・・。
・情報源(ニュースソース)を確認しよう
・脊髄反射のRTやシェアはやめましょう。背景や事実を確認することを忘れずに
・誹謗中傷はやめましょう。批評と誹謗中傷の区別は誰にも難しいです。慎重に。
・事実に基づく議論に集中しましょう。感情論いくない!

こんなところでしょうか。
名誉を侵害されたと感じる候補者から、プロバイダーやサービスのサイトに「情報を消して」と依頼があったときには、プロバイダーなどから2日以内に削除同意の照会があります。これに二日以内に返事をしないとプロバイダーに賠償してもらえなくなる、といったこともあります。

本当にわからないときは・・・・

総務省の選挙管理部門や選挙管理委員会、選挙違反取締本部(警察)に聞くのが一番かも。
結局、法律が改正されて施行されているんですが、法と技術にまだまだかい離があるんですよね。
その中でやって良いこと、いけないことが漠然と存在していて、明確な線がわからない、というのが現状です。

総務省|インターネット選挙運動の解禁に関する情報

インターネット等を利用した選挙違反等に関する情報提供:警視庁

これからどんどん変わっていくでしょう

ネット選挙のルールはこれからどんどん変わっていくでしょう。
ネット上のサービスもどう変遷していくかわからず、それに合わせたルールが(後追いで)ネット選挙で作られます。
また、効率化の利点を目的に緩和されることが出てくるかもしれません。

そのうち、ネットで投票ができるようになったときには仕組みががらりと変わるでしょう。

それらを見守りながら、今守らなければなら無いことは守る、そのうえでネット選挙を大いに楽しんでもらえればなと思いマス!

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