ライターノウハウなど

良い原稿を書くために2人のトップライターが行っている「言葉の蓄積」とは #ライター交流会

2017/06/20

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定期的に開催され、また僕も割と参加している、五反田の編集プロダクション「ノオト」さん主催で行われているライター交流会。2017年6月17日には「ライターの生産性アップ ~早く書くコツ~」というテーマで行われました。

ご登壇頂いた石黒謙吾さん、佐藤友美さんのコメントの中から、長く活躍するための秘訣のひとつであろう「言葉の蓄積」について参考になることが多く、抜き出してひとつの記事にまとめます。

一つの状態を何通りの表現できますか?

ファッション雑誌で文章を書く佐藤さん。

超かわいい、という言葉ひとつをどれだけ表現できるのか。媒体ごとの「モード」に合わせた表現がどれだけできるのか。おそらく普段から相当雑誌を「読み漁って」おられることでしょう。

スマホで動作が快適な状況を僕は
ヌルヌル
サクサク
スムーズ
なんかいい感じ

みたいに書いたりしますけれど、例えばマニアが読む媒体、シニアが読む媒体、流行に敏感だけれどガジェットに詳しくない人が読む媒体、と分けたときにどのように表現したら良いかを考えなければいけないなあと感じました。

多分、シニアに「これヌルヌルだから」って書いてもわけわかんないですもんね
ガジェットのことを書けるだけじゃなくて、相手を見て言葉を選択できるようになれば、そしてその引き出しが多くなればなるほど、力も上がりますしお仕事も増えるかもしれないな、と思ったり。

そのためにはガジェットの専門メディア・雑誌だけを読むのではなく、シニアの雑誌ではどういった表現が好まれているのか、ということを知っておかなければいけませんね。これから読むものが変わりそう。

そして話はずれるけれど、dマガジンがあるおかげで、スマホの追加料金なくシニア雑誌に目を通すことができそう。ありがたや。

新しいものに出会ったらすぐにメモる

石黒さんからのお話です。

昔作曲家の人が、良いフレーズが頭に浮かんだら自分の家の留守番電話に向けてフレーズを歌い、録音させる、と言ってました。
これはスマホや携帯電話もなく、録音がそうそう簡単にできなかった時代の話です。

石黒さんもきっと同様なのでしょう。日ごろから「語彙(ごい)」に関するアンテナを張り続けているから、中吊り広告にも捨て目が効く。そして気づいたものをすかさず保存するようなクセがついているんです。

それぞれアプローチが違っても、常に「今使われている言葉」をとても大切にしている様子がわかりました。過去に覚えた言葉だけではけっして勝負していないということですね。

「言葉の蓄積」は2人に共通の資産だった

石黒さんはダジャレに関する書籍もあるくらいダジャレ好きですが、そのダジャレについて「頭のいい人は大体できる」と語っています。そういえば僕はダジャレ好きなので褒められた気分です。ダジャレが浮かぶ人っていうのは、頭に言葉が蓄積されているこということと、それを活かす回路が錆びていないということですからね

佐藤さんは「いつか使いたい言葉リスト」の存在をほのめかしつつ、ダイレクトに「ボキャブラリーを増やすのは大切」と語ります。

言葉は生き物です。昔の言葉をどれだけ知っていても現代の状況を的確に表現できるとは限りませんし、ニュアンスも伝わりません。
また、これから生まれてくる新しい事象に対しての説明を上手にできるようになるためには、つねに現在の言葉を十分に理解しておく必要があります。

そんなことを改めて考えたライター交流会でした。
昔からある名著だけじゃなく、今刊行される本も読むようにしようっと。

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