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「殺人予告を掲示板に投稿した罪」で誤認逮捕案件が発生したことによる、ネット捜査に求められる前進

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拝啓@odaijiです。

殺人予告を大阪市の掲示板に投稿した罪で誤認逮捕が発生した件、結構衝撃的でしたね。

そもそものニュースは、

大阪市HPに大量殺人予告!アニメ演出家逮捕 - 芸能社会 - SANSPO.COM(サンスポ)

こんな感じだったんです。
結果的にはこの方は直接書き込んだわけではなく、この方のPCがウィルス感染した結果、遠隔操作で、あたかもこの方が書き込んだかのように偽装され、その偽装に警察がまんまと引っ掛かったというわけで。で、釈放されたわけで。

インターネットセキュリティにお詳しいmala氏が指摘しているとおり、

大阪市の掲示板には投稿の際の脆弱性が存在しており、見た目上の投稿者の意図にかかわらず第三者が偽装して投稿できる状況にあったという状態でした。

この状態をもって警察が「見た目上の投稿者」を単純に検挙してしまうのは、捜査として筋がそもそも通っていなかったということなんですね。

そのほか、誤認逮捕された方のPCにはウィルス感染した跡があり、遠隔操作で投稿されたのではないかという疑いもあるようです。

【殺人予告メール】「大人数を動員して大騒ぎ…立件するしかない空気に」 - MSN産経ニュース

逮捕せざるを得ない雰囲気があった
って、なんなのさそれ。逮捕って、空気を読んでするものではないでしょうに。


一方。

三重県でも伊勢神宮での犯罪予告が発生しておりまして、
威力業務妨害の疑いで逮捕した無職男性のPCからも「ウィルスが確認された」そうな。

この記事を書いている10月9日の0時ごろでは真犯人はわからず、警察は頑張って捜査して汚名を晴らしてもらわなければなりません。


これまでの「犯罪予告」に関する捜査においては、2012年10月9日0時時点のウィキペディア
犯罪予告のページ

にあるように、

容疑者は、警察の依頼等でサーバが開示したIPアドレスと、インターネットサービスプロバイダが所有する住所・氏名などの情報から特定される。他人の無線LANからアクセスした書き込みで逮捕されるケースもある。

という捜査手法で犯人を割り出すことが通例化していました。

ところが今回の事件はそれでは解決しなかった、と。

割り出したIPアドレスから個人を特定し、その個人が本当に投稿したのかを裏付ける必要性が、すでに出てきていたんですね。

犯罪の進化に警察が追いついていない。また、警察は、これまでの捜査方法を踏襲しておけばよいと思いこんでる節があって、最新のネット犯罪を予見してサイバー犯罪の専門部隊に任せなかったことや、そもそも大阪市の掲示板にセキュリティ脆弱性が無かったかどうかの確認を怠っていたことなど、ネット捜査でしなければならなかったことをしてこなかったわけです。

こうなると、当面、知識の豊富な犯罪者が警察を出し抜いて罪を重ねることが可能な時代が続いて行くという可能性が結構高いですねえ。警察はよっぽど専門家を取り込んで最新情報を入手し続け、犯罪に対する備えをしていかなければならなくなりました。
警視庁は柔道・剣道をやっていればいい時代じゃなくて、ハッカーも養成しないといけない時代なんですな。

一方、自治体も自分のサービスのセキュリティ対策をきっちりやっておかなければなりません。
きちんと対応されている掲示板をつかっていれば、一件誤認逮捕が減ったわけですから。自分の見過ごし・無知が他者に迷惑をかけていることに気づいてほしいものです。

もうひとつ、誤認逮捕を受けた張本人も、自分のマシンのセキュリティをしっかりせにゃなりません。
・この人がネット上の何をダウンロードして実行し、感染したのか。
・ダウンロードする際にアンチウィルスソフトはなぜ機能しなかったのか。またそもそもアンチウィルスソフトはインストールされていたのか。
・自分がある程度著名な存在である認識をもち、それにふさわしい行動を取っていたといえるのか。
このあたりを考え、日ごろの行動を改めなければなりませんね。


むかし、大岡越前の佳話に「三方一両損」というのがありました。
今回の状況も「三方一両損」ではあるのですが、文字通りの一両損でいいところがどこにもありません。

犯罪者が、いちおう善良者を駆逐する。そんな時代なわけですから、一般人や法人、自治体が情報セキュリティに関する意識を少しずつ高めることで犯罪を食い止めていかなければならないですね。

当たり前の話ですが、個人個人への啓もう、企業や自治体への啓もうを地道に少しずつやっていこう、そういうことを改めて感じさせられたニュースでした。

※ニュースが進展しました。詳細は
「殺人予告を掲示板に投稿した罪」で誤認逮捕案件が発生したことに関する進展と、やっぱり同じ注意。
をどうぞ。

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