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誰が良い契約書を作成できる? 第1回 #契約書タイムバトル は知的好奇心を刺激しまくり!

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弁護士や企業の法務担当の方が制限時間内にオンライン上の1つの契約書ファイルを編集しあい、どちらがより有効な契約書に持っていけるかというリーガルバトルゲーム「契約書タイムバトル」の第1回が2018年5月10日に渋谷の東京カルチャーカルチャーで行われ、観戦してきました。専門家が自分により有利なように契約書をどんどん直していく様は楽しくもあり、技能や知識に驚きもし、法の専門家でも何でもないフリーライターの僕も刺激を受けまくりの知的に楽しいリーガルゲームでした!

法の専門家だけでなく、法務的に自分で実を守るしかないフリーランスも役立つし楽しいイベントでしたよ。第2回もぜひ見に行きたい!

契約書タイムバトルのルール

▼まずはイベントページをご覧になるのが良いかもしれません
第1回 契約書タイムバトル powered by CLOUD SIGN ~法の専門家が挑む新境地 リーガルバトルゲーム

僕の場合多くはフリーライターとして依頼する側(僕の場合だとWebメディアの方々)と仕事を受ける側(僕)の間で結ぶわけです。

ほとんどすべてのケースで、依頼する側が持っている契約書(雛形の場合と、その仕事用にカスタマイズした場合とあり)をメールなどで受け取って内容の確認をしたあと、それを印刷したものが2部僕のところに送られ、そのうちの1部に自分の印鑑を押して依頼側に返します。そうすることで契約を結ぶことになるんです。

契約書タイムバトルでは、この中の

依頼する側が持っている契約書(雛形の場合と、その仕事用にカスタマイズした場合とあり)をメールなどで受け取って内容の確認をした

という部分を焦点にしたゲームになります。現実の世界ではメールなどでWordのファイルなんかを往復させていくのですけれど、このゲームではGoogleドキュメントのデータを相互に編集しあう、という形で進めていきます。その様子を観客は楽しみます。

同時に編集するとごちゃごちゃでわけが分からなくなるので、先攻・後攻を決めて順番に編集し合います。その中で、いかに自分側に有利になるかということを主に争っていくんです。

トーナメント形式で4人が争う

第1回となる今回は、4人がトーナメント形式で争いました。弁護士の方が3人、企業の法務担当の方が1人です。

が、弁護士の方といっても働き方は様々なようで、法律事務所にお勤めの方、企業でベンチャーキャピタリストを兼ねている弁護士、弁護士ドットコムで働く方と様々です。今どきは弁護士の資格を持つ方が企業の法務担当を行うケースも多いらしく、ゲームのように法廷で「異議あり!」「待った!」「黙りな!」などと声高に叫ぶとは限らないようですね。

1回戦は「機密保持契約書(NDA)」

1回戦で編集を競うのは「機密保持契約書」です。NDAと略されますね。

機密保持契約書は、ざっくばらんに言えば、その仕事の中でお互い知り得たことは他にはナイショにしようね!という契約書です。単純によろしく!というだけではなく、記録メディアはどのように扱うかとか、漏洩があった場合の報告の義務をどうする、どのように責任を取る、またどこからどこまでが機密なのか、みたいな契約を確認しなければなりません。

その雛形ファイルを双方で開き、先攻・後攻がお互い5分の持ち時間を上手に使って編集をしあいます。

見た目は割と地味に移るかもしれませんが、企業法務のプロの方が編集内容の実況をしてくれるので素人も楽しめます。

情報漏えいした際の違約金をしれっと10兆円に設定する選手がいて、それが即削除されるような争いは素人の僕でも楽しめました。

また、契約の有効期限の条項では類似の業務でこの度のノウハウを活用してはならない、といった但し書きが加えられるなど、ゲームとしてお互いを攻めるだけの内容ではなく、双方のビジネスとして気を配る項目が加えられるなど、実践的な内容も出てきます。

と思いきや、終了間際に「甲」「乙」を入れ替えることで一気に契約を有利にするような技が出てきたりと、法務業務の興味深さとゲームとしての面白さがミックスされたゲームであることがよくわかりました。

1回戦の結果勝ち上がったのは、法律事務所オーセンスに所属の飯田 花織弁護士と、株式会社ドリームインキュベータに所属の下平 将人弁護士。下平弁護士は以前はLINEの社内弁護士をなさったりしていたそうです。

▼飯田弁護士。才色兼備とはこのことよ。

▼下平弁護士。切れるだけでなくゲームの中でも自分に有利になるだけでなく契約書としての意義まで見据えた視点が素敵だった

戦いごとに審査員の弁護士のみなさんがコメントをしました。

単純に勝つためだけの策に溺れるのではなく、その業務が本当に行われたと仮定してその契約書が「お互いがパートナーとして良い仕事をするための契約書に向かっている」という要素が評価されていたのが、人が行うリーガルゲームの面白いところなのではないでしょうか。洒落と現実をうまく表現できていて、ゲームとしての質の高さを感じさせます。

決勝戦は「業務委託基本契約書」


決勝戦で争われる契約書は「業務委託基本契約書」です。

「こういう仕事をあなたにお任せしますよ」「仕事が発生したら◯日以内に納品してね」「遅れるときは連絡を入れるなど善意の対応をしてね」「納品したもののレベルが大丈夫かどうかの検収をどうするか」「業務上物品の貸し借りをするときにはこうしてね」「納品したものに問題があったときはこういう対処をしてね」「納品物の知的財産権はどうする?」みたいな約束を交わすのが業務委託の契約です。

フリーライターの僕の場合なんかですと、納品した文章の著作権・著作者人格権をどのように扱うか、なんていうのはとっても気になるところです。

そのうちの「業務委託基本契約書」について、決勝戦では争われました。双方の持ち時間は予選より2分長い7分。

委託者側として編集する飯田弁護士、受託者側として編集する下平弁護士でバトルし、優勝したのは下平弁護士でした。

実際の法務にも生きるエッセンスが沢山!

審査員の寸評や実況として聞こえた言葉の中では、実際の法務に活かせることがたくさん。

自分で契約書を読んだことがある人でしたら楽しめるレベルと思うし、法務や法律の世界で生きていなくても参加の意義は多いにありましたよ。

とりわけ関心したのは優勝した下平弁護士のプレーと、それを評した伊藤弁護士の言葉です。

個人で契約書を読むと、どうしても企業側の罠にかからないように、一方的に不利な内容を押し付けられないようにといった、相手を敵視しかねない読み方をしてしまいがちなんです。でも、法務のトッププレイヤーの意識はぜんぜんそんなことがありませんでした。

長期的な視点でお互いが良い仕事をできるということを意識してくれているんだなあということが良くわかったんです。

第二回にはAIも出てくる!?

どうやら契約書の精査に絡む業務システムではAIが動いているものがあるらしいですね。本イベントを主催したクラウドサインの事業責任者である橘大地弁護士は、このイベントの主催記

AIが文面だけを自動審査しても、会社間のアセット、事業部の熱量、何に対してインセンティブと感じるか、財務制限など、様々な考慮事由を全て加味しなければ、それは「生きた契約書」にはなり得ません。決してAIに代替されることのない人間の優位性、それを感じることができました。

と書かれています。文言の正しさや自社の有利さだけでなく、そのビジネスをまるっと捉えた中で双方が気持ちよく力を出し切れる契約になるか。やりがいを持って長期間責任を持ちながら仕事ができる契約になるか。そういう視点でAIが精査できるかどうかは、とても気になるところです。

第2回以降、AIが登場してきたら興味深いですよね。将棋や囲碁のような感情を無視しても成立するゲームと違い、契約書を「ビジネスを成功させる」という視点で捉えて最善を探るということで考えたときにAIに何ができるのか。これは本当に楽しみです。

これから契約書は変わっていく

例えばスタートアップやフリーランス向けの契約書は、出来るところは統一していきたいという有志の意見交換も行われ始めています。

また、先に述べたようにAIによる契約書の精査もできる時代になってきており、契約の確認というのも自動化できるところは自動化ができ、人間が確認すべきところは、その業務と人間の作業ならではの部分に絞られ、より密度高く話し合われるようなことになるのかもしれません。

そして、契約書の双方の確認も、今まではメールなどによる行ったり来たりをしていましたが、いつかドキュメントの共同編集に変わっていくのかもしれません。

いろんなことが一気に伝わってきて、自分の中での整理がどこまで出来たか不安ではありますが、以上で、イベントレポートとして締めます。

主催の皆様、登壇者の皆様、実況や司会の皆様、僕以外の観戦者のみなさま、お疲れ様でした。楽しかったですね!

▼イベント中で紹介されていた、契約条項を上手に変更するための参考書だそうです。こういうの買って勉強したい。

▼こちらもイベント内で良書として紹介されていました。

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