書評

#アスリートSNS本 は、全ての情報発信者の役に立つ【書評:アスリートのためのソーシャルメディア活用術】

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アスリートのためのソーシャルメディア活用法をまとめた書籍「アスリートのためのソーシャルメディア活用術」が発売になったので読んでみましたが、アスリートだけを対象だなんてもったいない。それぞれの立場の人が自分ごとに置き換えて読み進められる情報発信ガイドブック的な一冊でした。

サッカーの本田圭佑さんや野球のダルビッシュ有さんはTwitterをはじめSNSを上手に使いこなしています。

情報発信の仕方はそれぞれの立ち位置の人がそれぞれの立場で行なっているものですが、アプリやツールの操作方法でなく、発信そのものについてを語った数少ない書籍です。アスリートが持つ疑問を集め、すでに実践しているアスリートの事例で答える、実践的な教本になっていました。

SNSの情報発信を意識しているひとは目を通して損のない一冊です。

「アスリートのためのソーシャルメディア活用術」について

著者は特定非営利活動法人・izmの五勝出(ごかつで)拳一氏、株式会社ホットリンク執行役員の飯高悠太さん、株式会社栃木サッカークラブ取締役マーケティング戦略部長の江藤美帆さん、編集者・コピーライターの澤山モッツァレラさん、株式会社ベーシックの甲斐雅之さん。

事前にSNSを活用してアスリートから質問を募集した上で、

  1. アスリートのソーシャルメディアは武器になる
  2. アスリートがソーシャルメディアを活用する理由
  3. 事例から学ぶソーシャルメディア投稿術
  4. SNSマーケティングのプロに聞く「アスリートはソーシャルメディアとどう向き合えばいいのか?」
  5. 炎上しないソーシャルメディア発信術
  6. Twitter Japan スポーツ担当者に聞く「アスリートのソーシャルメディア運用とは?」

という6章の内に回答がちりばめられている構成になっています。スポーツの世界に限らず、誰かの悩みって、だいたい誰か同じ悩みを持っている人がいて、中には解決したり折り合いを付けてる人がいる。そんな先行事例に触れられれば、今まさに悩んでいる人たちにとって良い助けとなるんじゃないですかね。

アスリートならではのSNSの話

ソーシャルメディア登場前は、アスリートをはじめとした「有名人」「タレント」はマスメディアを経由して情報を発信していました。発信していたというか、取材されることで伝わっていた、という表現が正しいかもしれません。

しかし、ブログやSNSの登場で、個人の情報発信は変わってきます。おそらく30代より上くらいの方ですと、有名歌手が自分や所属事務所のサイトを通してのみオフィシャルな発表をするようになり、メディアがその内容を記事にする様に変化していく様を体感してます。

その後は有名人が自分のSNSアカウントを持つことも珍しくなくなり、第三者による憶測や想像を通すことなく、直接的にメッセージをファンに伝えられるようになりました。サッカーの本田圭佑さん、野球のダルビッシュ有さん、陸上の為末大さんなどはSNSを使った発信が上手なイメージをぼくも持っています。

アスリートにとってのSNSはメジャーな人、すでに成功した人だけの特権なのかといえば、まったくそんなことがありません。

あらゆるアスリートが上手にSNSを活用することで、現役時代から引退後まで、様々な影響力を持ち続けられること。SNSを活用することによるメリット・危険性、その上でどのようにSNSと付き合っていくか、どのように発信していくかという解説や事例が本書には含まれています。

決して長くない競技者としての情報発信を意識した解説があるのはアスリートを対象にしているからこそのものですね。

また、アスリートならではの

「Twitterする暇があったら練習しろ、と言われるのが嫌でSNSをしたくない」

といった悩みに対する答えが出ています。こうしたよくある質問と回答は、読んでみるとアスリートではない僕にも参考になるところがたくさんありました。

先行者の事例もたくさん

すでに情報発信を充実させているアスリートの事例がたくさん挙げられています。

第3章が事例による投稿術の話です。

具体的なアスリートのSNSの投稿を紹介しつつ、SNSの利用に長けた著者人がコメントを添える形で良いところを紹介。

僕が先日、新高円寺のブロバーというお店で出会った、ソフトボールプレイヤーの本庄遥選手の事例も出ていました。

ファンを獲得すること、スタジアムにファンが足を運んでもらえるようにすること、ファンと共感すること、スポンサーを獲得すること、自分やチームだけではなく競技のファンを増やすこと。様々な事例について、実際に取り組んできているアスリートの例が出ています。

おそらくこれを読めば、どのアスリートも一つは真似ができるところがあるのではないでしょうか。

アスリートでない僕でも、ああこういう部分は応用してまねができるなあというものがありました。

例えばスキルシェアをしているアスリートの話。日々のトレーニングを解説を入れながら紹介していたり、自分の技を紹介したり。これは、例えばフリーライターやブロガーである僕の立場でも、誰かにスキルのシェアをしてあげられるという観点で真似ができます。

SNSのプロに上手な運用を聞いたページがある

第4章から第6章までは、マーケティングのプロ、SNS発信の上級者、Twitterのスポーツ担当の人が説明する章になっています。

アスリートの情報発信できをつけなければいけない「炎上」についても、

  • ネット上で議論が盛んに交わされる状態になること
  • 不謹慎な発言が元となり大きな批判を浴びること

は、一見同じ炎上に見えても全然違うということが十分に説明されています。また、アスリートならではの炎上しやすいタイミングの説明もあり、これはきちんとスポーツ選手に向けて書かれているなあと感心させられました。

具体的な事例は書籍を読まれるのが良いでしょう。批判の交わし方の説明もあり、この部分はアスリートでない情報発信者にも役立つ内容が書かれています。

炎上を是としたSNS運営ができるのは極々限られた人たちです。それは優秀かどうかというより、炎上を楽しんでいる特定のグループや、炎上のデメリットがわかっていない狭い世界に住んでいる人たち、また、そうした人たちからの収益で生活している人たちです。

アスリートには味方となるスポンサーからの評価も必要ですし、ある種のクリーンさ、清廉さも求められます。まず間違いなく炎上はさせない方が良いのですが、だからといって何も情報を発信できなくなるのでは意味がありません。

そうした「さじかげん」を学ぶにも良い機会となる内容が書かれています。

SNSの時代の情報発信術事例として、アスリートでなくても面白い

本書はアスリート向けと銘打たれていますが、アスリートでなくとも役立つ情報がたくさんあります。

たとえば、スポーツでなく文化的なプロフェッショナルの人たち。音楽家や俳優、頭脳競技のプロ、気象予報士のような表に出る資格保持者、などなど、こうした人々にとっても共通で役立つ事柄は多いはず。

フリーライターの自分にとっても役立つ内容は山ほどありました。特に、情報発信の内容について解説された書籍はそこまで多くないはずですので

  • こうした事例があるのか
  • ここはもっと深ぼって考えていこう

などなど自分ごととして考えるきっかけとしても良い本ではあると思います。

残念なのはとにかくこの書籍が「固定レイアウト」の電子書籍であること。僕はKindleで読んでいますが、まあとにかくメモが取れない…。

せいぜい、気になる事例のページにしおりをつけるくらいしかできないので、読み返しの作業効率が悪くなってしまいます。

この本を読みこなしてSNSのちからを付けようするアスリートのみなさんは、ぜひスクリーンショットの撮り方とEvernoteなどへの有効な読書メモの技をマスターして電子書籍を読む、もしくは紙の書籍を買って付箋を貼りながら読む、とやっていただきたいですが、いや、SNSの勉強の本なのですから、デジタルデバイスで完結して欲しいところですよね。

やっぱり固定レイアウト、残念です。

でも内容自体を毀損するものではありません。

アスリートにかぎらず多くの情報発信者が一読して損のない一冊だと感じましたよ。

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