テレビ 書評

2022年1月5日放送開始アニメ「ハコヅメ」が原作に忠実でとても面白い

2022/01/19

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漫画が原作の作品の映像化は、実写よりもアニメが好きです。また、基本的には異世界・ファンタジー・異能バトルものよりはリアルな世界に近い作品を好みます。そんな僕にとって2022年1月5日からアニメ放送が始まった「ハコヅメ」はとても楽しみな作品で、原作のファンでもあることから期待の大きな放送の一つ。2020年放送の「波よ聞いてくれ」以来のお気に入り作品となりそうです。

記事執筆時点ではAmazon Prime Videoでもアニメを配信中。大人も楽しめる作品ですのでぜひ一度見てみてください!

「ハコヅメ」とは

ハコヅメは泰三子(やす・みこ)作の、交番で働く女性警察官を主人公とした漫画作品です。2017年から講談社「モーニング」で連載が開始され、2022年1月時点でコミックスは19巻まで発売されています。

女性警察官を題材としたお仕事漫画で、警察官の日常や事件・事故への対処も含めて描かれており、シリアスな内容からコメディまで描き方は多彩。
辞表を提出しようとしていた新人警察官・川合麻依が、後輩へのパワハラを理由に刑事から交番勤務に転属したという巡査部長の藤聖子とペアを組むことになり、藤の仕事振りや人間関係などを通して成長していく物語です。

泰三子さんは10年ほどの警察官経験をお持ちの方で、担当者の制止を振り切って公務員を辞め、漫画家として独立したそうです。きっとそのご経験を活かして、様々な出来事を物語として描けているのでしょう。

絵に個性があって好印象です。

2021年には永野芽郁さん・戸田恵梨香さんをダブル主演としてテレビドラマ化。2022年1月5日からTOKYO MXなどの放送局とAmazon Prime Videoなどの映像配信サービスでアニメが放送(配信)されます。

登場キャラクター

ハコヅメの登場キャラクターをご紹介。引用部分はアニメHPのキャラクターページからです。個人的にコミックスなどを読んだ所感も入れます。

川合 麻依

町山交番に勤務する新人警察官。
警察官としての展望や自負はなく、激務に嫌気がさして辞職を考えている。
良くも悪くも純粋で素直な性格のため、被疑者や補導した少年少女の言動に翻弄されることも多い。
藤の指導を受けていくうちに、警察官としての仕事に少しずつだが前向きになっていく。

署内の人と接する中で表情や言葉・態度にオブラートで包むところがなく、これが本作の面白さの柱(のひとつ)になっています。
人間性を認めにくい先輩に対しても、警察官としての能力は別のものとして尊敬できるところは尊敬する、という考え方を感じられる節があり、そうしたところが、単なる無礼な後輩になっていなくて良いところ。

また、中高生の安全を守るために地域の塾の終了時刻を把握するなど、管轄エリアの把握をきっちり行っている一面も見せます。

先輩や上司からは、たびたび言葉遣いの無礼さなどを指摘されつつも愛されている様子が描かれており、可愛がられている存在であることが伝わって来ます。

原作12巻で見せる大きな声での独り言は、川合、成長したなあ……と感心させられる見せ場です。

声優は若山詩音さん。「さよなら私のクラマー」の越前佐和などを演じています。

藤 聖子

警察学校を主席で卒業し、捜査一係で活躍していた元刑事課のエース。
町山交番に異動となり、川合の指導員としてペアを組むことに。
後輩によるパワハラが原因で異動になったとの噂があるが、その真偽は不明。
有能かつ誰もが認める美貌の持ち主だが、性格や振る舞いからゴリラ扱いされている。

川合とペアを組んでいる先輩。他の作品だと「相棒」「バディ」などと呼ばれる存在でしょうか。警察学校時代は「ミス・パーフェクト」と呼ばれ、以前の配属であった捜査一係ではエース。容貌は被疑者からも「可愛い」など言われるほどだけれど、朝ドラ系の爽やかさではなく

  • 「AVみたいなきれいな人」(川合の父親)
  • 「この人 見た目だけはゴリゴリの美女だった!」(山田)

と、割とナイト系の美女のご様子。

しかし「男心検定8級」と言われるほど恋愛力はなさそうなところが残念ポイント。

声優は石川由依さん。「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」のヴァイオレット・エヴァーガーデンなどを演じています。

源 誠二

天然パーマがトレードマーク。
軽口をたたき合いながらも、警察官としての能力はお互いに認めている。
学校での成績はビリだったが、人の心を一瞬でつかむ天性の人たらしの才能で「取り調べの天才」として一目置かれている。

作品の中で大好きなキャラクターです。長所も欠点も大きくて魅力にあふれています。人間性を同僚から否定されているものの、ここぞというときはとっても優しく気遣いのできる男。原作6巻で、藤の前でスマホゲームをするシーンなんかはほんと、男前の行動です。

イケメンをもじゃもじゃな髪型で台無しにしている設定のようですが、僕からみたら、ただ髪の毛がもじゃもじゃなだけのイケメンです。後輩の山田からは面と向かって「クソ毛玉」と言われていました。

取り調べの天才で、原作の13巻で同僚から取り調べのアドバイスを受けた時の対応が神がかっています。これで20代とはおそろしや。

声優は鈴木崚汰さん。この方の声は、僕は初めてです。PVなどで声を聴きましたが、どのような演技をされるのか楽しみです。

山田武志


▲左が山田

源とペアを組んでいる捜査一係の刑事。
藤や源とは、警察学校の1期後輩。
警察学校時代からいいように使われ、かわいがられてきた(?)。
困っている人の役に立ちたいという正義感を持つが、目の前の仕事に一生懸命で視野が狭くなることも。

署内の体力測定でトップクラス。体力があって上下関係が絶対という、典型的な「体育会系」なキャラクターです。1期・1歳上の藤・源を仕事面だけは尊敬していて、二人を語るときに公私で扱いが分かれるのが面白いです。

今は源、以前は藤とペアを組んでいたことから川合とのコミュニケーションも増え、やりとりがどんどん面白くなっていきます。

声優は土屋神葉さん。「ボールルームへようこそ」の富士田多々良や「ハイキュー!!」の五色工などを演じています。

牧高美和


▲左下が牧高

捜査一係に所属、山田とは警察学校の同期。
堅実で丁寧な仕事ぶりに定評があり、第一線の捜査員たちからも信頼されている。
司馬遼太郎をこよなく愛す新撰組オタクの“歴女”。「新撰組と仕事内容が似ている気がして」警察官になった変わり者。

むさい男所帯の操作一係の紅一点。かわいい。女子校出身でおとなしい雰囲気を醸していますが嫌な仕事でも決して弱音を吐きません。司馬遼太郎をこよなく愛する気持ちは、原作の連載中に映画化が決まった人気小説「燃えよ剣」を心底喜んでいるシーンがあることからも伝わって来ます。

おそらく、作中の女性警察官の中ではかなり感覚が常識人寄りです。

声優は花澤香菜さん。「言の葉の庭」のユキノ先生やゲーム「大逆転裁判 -成歩堂龍ノ介の冒險-」の御琴羽寿沙都などを演じています。

副署長


▲右上が副署長

町山警察署の副所長。スキンヘッド顎髭という強面の元機動隊員。
柔道の猛者で、逮捕術などの訓練では指導役を担当。宝塚が好きという意外な一面も。
命令に従わない部下たちに雷を落とすことも多いが、成長を温かく見守っている。

機動隊時代は水難救助隊に在籍し、赤十字の講習も定期的に受けていることから、厳つい顔に似合わず様々な技能を持っている警視。
パートナーも元警官で、このパートナーとのエピソードも興味深い内容になっています。

声優はケンドー・コバヤシさん。原作の4話目くらいで実写化が決まると想像していたくらいのファンで、副署長役はうれしいのではないでしょうか。

北条 保

捜査一係の係長。リーゼントのヘアスタイルがトレードマークの強面。
自由奔放な部下に対して厳しく指導することもあるが、部下の体調やメンタルをつねに気づかっている頼れる上司。

DVの被疑者が署内で牧高を侮辱した後に北条と顔を合わせた際、とても怖い顔をした北条が被疑者に自己紹介の後に述べた言葉は「私の部下を侮辱したこと、謝罪してくれ」でした。自分の体調よりも一係の部下の体調を優先させるシーンもあり、顔と優しさの比例していない描写が魅力の一つです。

声優は小山力也さん。「24」のジャック・バウワーや「名探偵コナン」の毛利小五郎などを演じています。小山さん、こういう役にはほんとぴったりの声してる。

もと警察官が描く警察官の日常が面白い

事件への対応を含めて「警察官の日常」と書きましたが、これが面白いんですよね。特に作中、印象的だったシーンは第3巻にある

川合「犯人逮捕して結構経つのにボロボロ!」
源「パクってからが長いんだよ ドラマや漫画で割愛されてるトコが本当辛いんだよ」

という1コマ漫画です。

また、単なる勧善懲悪でもなく、市民にぼろくそに言われてストレスがたまっている姿もよく描写されている。川合と藤が交通違反を取り締まった際、キップを切られたことで悪態をついたドライバーが走り去って行ったときの一言。

川合「藤部長 あいつ興奮してシートベルト忘れています」
藤「よっしゃ もう一回切符切って免停くらわそ」

コメディらしい一幕でした。

原作は「モーニング」で連載中!

原作は、講談社の「モーニング」で絶賛連載中。コミックスは2022年1月時点で19巻まで発売しています。コミカルなだけでなく、1巻まるまるシリアスなストーリーが展開することもあって、メリハリがあり飽きがきません。アニメは原作の毒をちゃんと活かしているように見受けられ、大人が読んでも十分楽しめる作品であり、それを忠実に映像化したアニメも、大人が楽しめるものになっています。

2022年1月~3月期、超オススメのアニメ「ハコヅメ」、原作とともに超オススメです。

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