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コンプガチャとオンラインゲームと。

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大手ソーシャルゲーム会社の発表によると、消費者庁の公式見解に基づいて6月から「コンプガチャ」と言われるネットガチャガチャの仕組みを廃止するそうな。アイテム欲しさに過度にお金を使いすぎる不健全な環境がこれで少し改善されるのか、またこの自主規制および、コンプガチャに類似するサービスを停止していくことによるソーシャルゲーム各社の売り上げがどのように推移するのかはよく見守っていきたいと思うところ。どちらにしても中高生からお金を吸い上げる仕組みはあまり良くないだろうから、健全に「金を使いたい大人」が使えるような仕組みになればよいのだが。

注目されているのは携帯系のソーシャルゲームなのだが、パソコン系や家庭用ゲーム系でも課金タイプのオンラインゲームはある。セガのファンタシースターオンライン(以下PSO)スクエアエニックスのドラゴンクエストX(以下DQX)などが、これから発売されるビッグタイトルだと思われる。

両ゲームの課金の仕組みは異なっている。PSOは基本無料で遊べるが、アイテムや得られる経験値を倍増させるような権利を有償にしている。DQXは本体価格が6980円に加えて、30日の利用権を約1000円で販売するシステム。PSOは節約や我慢によって料金を安く抑えることができそうだが、おそらく様々なゲーム上のストレスを抱えなければならない。本来楽しむため、ストレス発散のために行うであろうゲームで、新たにストレスや我慢を重ねることになるのは皮肉ではないか。一方DQXはただ遊ぶためだけにお金を支払わなければならず、1年間遊ぶとしたら約19,000円を1つのゲームについて支払うことになる。1年で19,000円、コンプガチャに比べれば「可愛い金額」だが、はたしてゲームとして適切な価格なのかは正直疑問符がつかないか。

昔も今も、基本的にゲームの対象は子供から少年少女なのでは無かろうか。携帯向けソーシャルゲームもPSOもDQXも、子供や少年少女を意識してゲームデザイン、キャラクターや音楽の制作をしてきていることと思う。そこに権利を購入させたりクレジットカードが必要な「大人向きの課金システム」を入れ込んでしまうことに違和感を感じてしまうのは私だけではあるまい。この違和感が払拭されない限り、健全な課金型ゲーム業界は、パチンコを子供に遊ばせるようなものとして捉えられ続けてしまうのではないかという懸念が拭いされない。業界の皆様には何かしら良い落としどころを見つけてほしいものだ。

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