将棋

将棋の普及にも役立つので、プロ棋士から駒落ちの上手(うわて)のコツを教わりたい

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将棋歴35年の@odaiji さん曰く、。

今日、将棋の女流棋士・高橋和先生が運営する将棋スペース「将棋の森」へお邪魔し、ビジターとして将棋を指してきました。普段ネット将棋ばかり指していて実際の駒を持って指すのが数カ月ぶりだったりしたこともあり、とても楽しいひとときを過ごすことが出来たのですけれど、そんな中で感じたのが掲題のこと。

将棋の楽しさを伝えることって、もちろんプロが占める部分は大きいと思うんですよ。でも、アマチュアだってアマチュアを指導したり、楽しさを伝えることだって出来ると思うんです。

そう考えた中で絶対的に足りないのが「アマチュアの駒落ち上手(うわて)技術」なんじゃないかなと思ったわけです。

駒落ちというのは、対局前から将棋の上手な方が特定の駒を使えないように盤上から外してハンディキャップとして指す将棋です。

プロとアマチュア高段の方で角落ち。
プロとアマチュア初段くらいですと二枚落ち(飛車と角をはずす)くらいで良い戦いが出来ると言われています。

僕もアマチュアの棋士としてプロとの対局経験もありますし、数は少ないけれど自分より段位・級位の低い方への駒落ちの上手(うわて)を指したこともあります。そういう中で気づいたことがいくつかあるんです。

アマチュアは駒落ちの上手の定跡を知らない

駒落ち将棋って、多分プロがアマチュアと指す時のハンディ、プロトコルとして成立・普及していると思うんですよ。昭和の途中までは、升田幸三先生の「名人に香を引く」なんて言葉があったくらいですし、今の奨励会(プロに至るまでの養成機関。相撲で言えば幕下で、プロとしての給料はでないけれどアマチュア大会に出られない位置づけ)でも香落ち(ハンディの中では最小)はありますが、プロ-アマ間で指される角落ち、飛車落ち、飛車香落ち、二枚落ちは、なかなかアマチュア間で指されることが多くありません。

また、そのためか、駒落ちの将棋は下手のための定跡を学ぶ機会は多いのですが、上手がどういう指し方をしていかなければ良いかということが全くわかりません。

その結果、アマチュアの駒落ち上手は「上手の指し方」を知らないため力将棋になりがちです。これは将棋を指すことにおいて負担も大きくなります。

駒落ちの上手は「勝てば良い」ものではない

駒落ち将棋が、適切なハンディキャップを与えた真剣勝負になることもあります。ですが駒落ち将棋でありがちなシーンの一つとしては、将棋を覚えたての人、これから将棋が強くなろうとしている人に将棋の考え方、勝ち方、勝った時の喜びを覚えて貰う、将棋の手筋を覚えて貰うといった目的のために指すシーンです。

この場合、上手としては

  • 勝たなければならないものではない
  • 将棋としての最善手以外にも、下手(したて。駒落ちで有利になっている方)の考え方の成長を促す一手
  • マナーを教える(特に、子ども相手の対局の場合)

こんな役割が求められます。

でもね。こんな内容を体系立って学んでいるアマチュアって、ほとんど居ないんじゃないでしょうか?

自分より棋力が劣る相手に対して、ある局面で

「こう指せば相手(劣る相手)の勝ち、でもそれ以外の多くは僕の勝ち」

という状態を作るのはアマチュアにとって、とても難しいんです。そもそも、いちプレーヤーだから全力で勝とうとするわけですしね。その上手な緩め方が本当に難しいです。

プロがアマチュア有段者に駒落ち上手の指し方を教える

さて、ここで将棋の普及ということを考えてみると、将棋の初心者が将棋にのめり込んでいただき、もっと強くなろうと思ってもらえる環境が作れることがとても大切です。そのための一つとして役立つのは、駒落ちの上手が、下手を上手に導いてあげることなんだと思います。

ここで手筋(有効な手の組み合わせ。数学の問題を解くときに方程式を当てはめると楽になるように、手筋がはまると場面を有利に導ける)を使ったらいいよ!という場面を上手が作ってあげられれば。

そこまで出来なくても「上手は勝たなくても良い。下手を上手に導ければ」という発想を持てれば。

こんな気持ちや知識を、アマチュア同士の駒落ち戦で上手が持てるようになれば、下手がさらに将棋を面白いと思ってくれるのではないでしょうか。

その結果将棋がより楽しくなってくれるのであれば、プロにとってもメリットが大きいと思います。

1)アマ同士の対局で将棋に意欲を持ってくれる初心者が増え、さらなる普及につながる
2)それにより「駒落ち」による普及から、別の普及へプロの時間をシフトチェンジできる可能性が広がる
3)駒落ちの上手の手法を教えるという、新たなプロアマ間の指導のシーンが生まれる

ぱっと考えてもこのようなメリットがプロ棋士側にもあると思うのですが、いかがでしょうか?

将棋の森は、初心者~級位者も遠慮無く楽しめる場だった

将棋の森のオフィシャルサイトはこちら。女性向け、子ども向けの教室があり、先生自らも「お母さん」である女流棋士なので非常に女性・ちびっこには行きやすい環境です。

将棋の森 - 将棋の森@吉祥寺で女性や子供も気軽に将棋を!

将棋道場関係で初めてクラウドファンディング(募集は終了)で立ち上げた将棋スペースだと思います(奥野調べ)。
誰もが将棋を気軽に楽しめるおしゃれなスペース【将棋の森】 をつくる - CAMPFIRE(キャンプファイヤー)

将棋を始めたばかりの方は相手探しに本当に苦労するようです。ネット将棋では、対局後に感想を伝え合う場がないため、ただ数をこなす行為になりがちです。効率よく強くなるためには、より強い人に指し方を教わることが大切になってきます。

吉祥寺にある「将棋の森」は、そんな初心者から級位者までが気軽に訪れやすい将棋スペースでした。明るく、カーペット敷きのスペースは古くささを感じません。

古くは「将棋道場」「将棋サロン」と称していた、こういったスペース。慣れていないと門を叩きにくいものです。

「将棋の森」は、女性も多く、ご両親は将棋が分からないけれど子どもさんが将棋に興味を持ったのでどこかで指させたい、といった方にもうってつけな場ではないでしょうか。

有段者も指しに来ているようですが、将棋の森のお願いとして、級位者に駒落ち上手でも指してあげてね!ということが書かれています。自然に駒落ち上手を指すようになります。

僕も伺った時に、小学生を相手に二枚落ちの上手を指しました。と思えば同じくらいの力量の方と平手(ハンディなし)で指すこともあり、多彩に将棋を楽しめます。

そんな楽しさを感じながら、同時にこんなことも考えたひとときでした。

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