ふとしたことから知ったんですよね。第3世代iPadのRetinaディスプレイが単体(iPadとしてではなく)で売られていること。そしてそれがPCの外付けディスプレイとして利用できること。価格的にもそれほど厳しいことが無いので、さっそく作って試してみましたよ。
PCにサブディスプレイがほしいけれど、高解像度のものは20インチクラスで嫌だ、という方は、このやり方を試してみると
第3世代iPadの液晶のサイズ・解像度のサブディスプレイを持てますよ(しかも無線接続でない)という話です。
高解像度表示が大好きな人、でも価格はそれほどかけたくない人、おすすめな部分があるかもしれません。
あ、もしマネしてみようという方がいらっしゃいましたら、くれぐれも自己責任でお願いしますよ。
ぼくのは「たまたまうまくいった例」かもしれませんしね。
~ 目次 ~
Retinaディスプレイが裸で売られているなんて!
そもそもこれがびっくりしたんですよ。Retinaディスプレイが部品単位で売っているだなんて。そしてこれが外部液晶モニターとして接続できるもろもろがそろっているなんて。
1万2000円で2048×1536ドットのRetinaディスプレーを自作 - 週アスPLUS
こんな記事で知ったわけです。
Retinaディスプレイを使った外付け液晶モニターが15000円程度で作れるなら、面白いじゃないですか。
機材を買う
何を買ったら使えるか、をお伝えしておきましょう。
買うものは
・液晶パネル
・ケーブルつなぐための基盤
・ディスプレイケーブル
・USBケーブル
・その他備品
両面テープ
絶縁体
USB給電機
ディスプレイスタンド
あたりです。
液晶パネル
ヤフオクなどで「LP097QX1」を検索すると買えると思います。僕はヤフオクで出品していた pcparts777 さんから購入しました。
iPad 3用LED液晶
などといったタイトルが入っているはずです。
価格はさまざま(一つの業者でもさまざまかも。送料もさまざま)ですが、僕が購入したのは
本体5300円、送料1300円(海外から発送らしい)の合計6600円。
え、iPadのRetinaディスプレイって6600円で買えちゃうんだ・・・。
本体価格と送料の組み合わせがさまざまだったので、くれぐれもよく判断して。本体4000円で送料2800円という案件もみましたから。
国際搬送ですから、ほかの買い物も合わせて、これが一番納期のかかる買い物のはずです。
ディスプレイをパソコンと接続するための基盤
Rethinaディスプレイから生えているケーブルは帯状のもので、このままではパソコンにつなげません。まして電源もありません。
そこでそれを解消するための基盤を購入する必要があります。これも何か作られているものがありましてね・・・
こちらで購入できましたよ。
2048x1536 LCD to DisplayPort Adapter [DPADAPTER] - 3,500JPY : abusemark web store
この製品です。何かの理由でリンク切れしているなら、2048x1536 LCD to DisplayPort Adapterという文言を探してみるとよいです。
送料別(?記憶にない、すまん)で3500円。PayPal払いでした。外国っぽいサイトデザインですが九州の企業です。
接続するためのケーブル類
ディスプレイと基盤は、ディスプレイ付属のケーブルでつながります。
必要なケーブル類は
- 基盤とPCのディスプレイポート(MacでいうThunderbolt)をつなぐケーブル
- 基盤に電源を供給するUSBケーブル
になります。僕が買った製品を紹介しておきますね。
▼パソコンと基盤を繋ぐ線は、僕はこの線でOKでした。パソコンはSurface Pro 3、Macは2011年のMBP17インチですが、ともに同じコネクターです(ミニディスプレイポートとThunderboltと名称は違うが、仕様は一緒)。
パソコン側の、ディスプレイに接続するポートが大切です。
HDMIやアナログRGB(VGA)は形が全然違うので、別のケーブルを探さないといけません。
▼たとえばパソコン側の出力がVGAだった場合は、ふつうのVGAケーブルを挿し、ケーブルと基盤の間に
この製品をかませば、結線自体はできると思います。
ただし、この機材での接続を僕がしているわけではありませんから、接続は保障しませんし責任も持てません。自己責任でお願いいたします。
▼パソコン側がHDMIポートしかなかった場合、ケーブル上は
こちらの線を使えば結線は可能です。ただし、これもVGA同様
この機材での接続を僕がしているわけではありませんから、接続は保障しませんし責任も持てません。自己責任でお願いいたします。
▼USBケーブルは、今は数が少ないmini-Bタイプのケーブルが必要です。たまたま僕は家にありましたが、
こういう製品で良いと思います。
こまごましたもの
こまごましたものが必要になります。
・100円ショップなどで売られているスポンジタイプの厚みのある両面テープ
→基盤を固定するのに必要です。
・使わなくなったプラスチック製のポイントカード
→Rethinaディスプレイの裏に基盤を固定するのですが、絶縁(金属的に接触しないようにすること)の必要があります。
ディスプレイと基盤の間にプラスチックのカードを挟んで、それぞれを両面テープで固定します。
・タブレットスタンド
→レティナディスプレイは裸です。そのままでは寝かすことしかできません。
それなりの重みはあるし、ブラウザー作業の時には縦置きが便利だったりすることもあるので、そこそこしっかりしたものが良いかなと思います。
僕はこれを買いました。1000円くらい。
・USB充電器
このRetinaディスプレイは1.5Aくらい使うそうですね。ですので、iPadが充電できる!というUSB充電器を使うのが安定運用のコツです。iPadが充電できるモバイルバッテリーでも使えるはずですので、持ち運びを解決したらモバイル外部ディスプレーとしても使えそう。
僕は持っていたので追加費用はありません。持っていない方は、以下の製品がよいでしょう。
▼家で使うためには、出力の高いUSB充電器が良いでしょうね。僕は自宅のこれで安定した通電が今のところできています。
▼今Amazonで見つけましたが、これ安いですねー。ちょっと興味あるなあ(買ってないです)
▼モバイルは未検証ですが、iPad対応のモバイルバッテリーならいけるはず。
ただし液晶がむき出しなど、持ち出しに適していない状態なので、バッテリーを使ってどうするの?という部分もありますが。
たとえば上記製品ですが、2ポートあって片方が2.1(iPad用)、もう片方が1A(スマホ用)です。
「おそらく2.1A側ならいけるだろう」
と推測します。
ほんとスイマセン。モバイルは2014年7月30日時点で未検証です。
来たら、つなげる
必要な道具はほとんどありません。楊枝一本、または小さなマイナスドライバー一本あればいいかな。
Retinaディスプレイと基盤の結線
写真で見てみましょう。実際はうんと細かいので気を付けてね。
▼まずケーブルを挿す前に、黒いストッパー的な何かを上に持ち上げます。
楊枝の先か小さなマイナスドライバーがいいすね。
▼基盤の端側から、Retinaディスプレイのケーブルを差し込みます。
▼挿入がすんだら黒いストッパー的な何かを上から押し込んで閉めます。
▼軽く引っ張っても抜けない感じならOK!
基盤にケーブルを挿す
USBケーブルとディスプレイケーブルを挿します。
この図を参考にケーブルを挿してみてください。
電源確認
USBを挿したときに写真の位置のランプ(LED)が光るはずです。
赤い場合は一つ上の写真の電源ボタンを一回押してみましょう。青く光るかな。
ついたり消えたりする場合は電力が不足している場合がほとんどです。
古いパソコンのUSBなどでは電力が少ない場合があります。
上で私が紹介したような、高出力のUSB出力ポートを準備するとよいでしょう。
基準はiPadがふつうに充電できるUSB、と思ってくれれば大丈夫です。
パソコンとつなぐ
MacのThunderbolt、Surface Pro 3 のディスプレイポートなら私が買ったケーブルがそのまま使えます。
Surface Pro 3なら、このポートとレティナディスプレイをつなぎます。
すぐね、OSからは認識してくれると思いますよ。
ディスプレイ設定
Windowsであれば「Windowsキー」+「Cキー」を押してチャームを開きます。
▼デバイス をクリックします。
▼「表示」をクリック
▼「拡張」をクリック
これでメインのSurface Pro 3に加えて追加画面でRetinaディスプレイが追加ディスプレイとして認識されているはずです。
液晶の調整
▼Surface Pro 3をデスクトップモードで使い、壁紙の部分を適当に右クリックして「画面の解像度」を選択します。
▼本体と外付けディスプレイの位置関係などを決められます。
位置関係を決めておくと、マウスカーソルが本体のディスプレイのどの側から外に行ったときに外付けディスプレイに行くのかなどが明確になります。
また、外付けディスプレイを縦置きすることも可能です。
縦長のドキュメントやExcelワークシート、ブラウザーなど開くときには便利なこともあるでしょう。
基盤をRetinaディスプレイに張り付ける
いったん、USBとディスプレイの線をすべて抜きましょう。ディスプレイと基盤は取り合えずつけたまんまでいいです。
僕は仮止めということで、ディスプレイの裏に基盤を張ることにしました。でも直接貼ると電気的にまずいので、間に一枚かませます。ほどほどの厚み・大きさがあって電気を通さないものということで、古いポイントカードを間にかませることにしました。
これらを厚みのある両面テープで張り付けて完了です。
▼これはポイントカードをディスプレイの裏に貼った例。汚くてすまん。
実際は両面テープを使ってきれいにはりました。
この上に基盤を両面テープで張りました。
あとはRetinaディスプレイを、タブレットスタンドにおいてみましょう。はい、完成!
縦置きで使ってみた
▼セカンドディスプレイがこんな表示で使えれば、あとは好きな調整をすればOKです。
▼縦置きにして、ブログの管理画面を出してみました。
WordPressの管理画面を出してみました。左側の柱のメニューが上半分で終わっていることを見ても、おお、縦の解像度たかいなあ!と思っていただけるでしょう。
Windows8は画面サイズをいい感じにコントロールしてくれる機能があるので、アプリ次第では無調性でも結構快適に使えます。
もちろん、フルハイビジョンの映像を見たければそれはなんの拡大・縮小もなくゆとりを持ってみることができます。
これが手軽に作れてしまって、僕は大満足
費用と今後
費用
今回かかった費用をまとめておきますね。
項目 | 費用 | 送料 | 小計 | 購入方法 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
Retinaディスプレイ | 5300 | 1300 | 6600 | ヤフオク | 納期が3~5日と言われた |
基盤 | 3500 | 420? | 3920 | AbuseMark | PayPal支払 |
ディスプレイケーブル | 2660 | 2660 | Amazon | プライムで送料無料 | |
両面テープ | 100 | 100 | ダイソー | 100円ショップで購入 | |
タブレットスタンド | 1199 | 1199 | Amazon | プライムで送料無料 | |
USBケーブル | 500~1000 | いろいろ | 0 | 持ってた | 持ってた。 |
USB充電器 | 2500くらい | 0 | 持ってた | iPadが充電できるもの。 | |
合計 | ー | ー | 14479 | ー | 15000円切った! |
おお、15000円切ってるよ!まあ持ってるものもあったけれど。
ケーブルやタブレット用のスタンドを持っていれば、11000円かかってないです。
iPadで使っているRetinaディスプレイを利用して小型軽量の外部ディスプレイを作り、これが15000円で済むというのは大きい。
僕がすでに持っていたものを追加したとしても、18000あれば余裕で行けそう。
今後の課題
まずは、Surface Pro 3にぴったりなサイズ感の外付け液晶モニターを安価に作れたのが嬉しいですね。
せっかく本体が小柄なんだから、周辺機器も小柄であってほしいです。
今は液晶がむき出しです。家庭で使う分には問題ないのですが、これを外に持ち出せたらどこでもデュアルディスプレイで作業効率よさそうだなーと。剛性を担保しつつ軽く抑える方法が何か、考えてみているところです。
電力はiPad対応のモバイルバッテリーを使えば事足ります。
枠をどうやって作るか。DMMの3Dプリンター用データがあって作ることができるのは知ってるのですが、これが8000円くらいかかるので、なんだか勿体ないじゃないですか。せっかく本体を15000円で済ませてるんだし。
まあこのままでもよいのですけれど、安心して持ち運べる環境をうまく作れたらいいなーと思っています。