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【Kindle】で読める 女性警察官が主人公のおすすめ7作品 #ミステリー

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2021年11月くらいから2022年3月くらいまでは、妙に女性警察官が主人公の作品をKindleで読み続けていました。警察官モノであっても、主人公が女性警察官のものは、主人公が何らかの「特技」を持っているケースが多いんですね。それぞれの特技を活かした捜査が、ひとつのスパイスになって楽しく読めます。

特殊技能を持っていない女性警察官の場合、

全作品×全編を読破しているわけではありませんが、7シリーズをご紹介します。

行動心理捜査官・楯岡絵麻


栗山千明さん主演で「サイレント・ヴォイス」としてテレビドラマかをしている作品です。

ほんの一瞬。0.2秒ほど、相手に表れる微細な行動=マイクロジェスチャー。それを注意深く追っていくことによって相手の嘘を見破る技術を持つ楯岡絵麻の、容疑者との取調室の戦いを中心とした作品。

最初は水商売の店員と客の関係か!と思わせるようななれなれしいトークをすることで、取り調べ相手が「真実を語るとき」「嘘を語るとき」などの動作を把握し、把握した後は一気にたたみ込んで供述を引き出しにかかります。

もちろん容疑者も海千山千。一筋縄にはいきませんが、その駆け引きが見所といっても良いでしょう。

記事執筆時、シリーズは全7巻です。

本作を読んでマイクロジェスチャーの説明を読んだとき、ぱっと思い出したのは、2013年ごろに放送された海外ドラマのライ・トゥ・ミー 嘘の瞬間です。ここでは微表情と呼ばれる、軽蔑や怒り、恥じらいといった感情がほんの一瞬表情に出てくる性質を利用して、様々な事件を解決していく物語です。この物語、また観たい。

ライ・トゥ・ミー 嘘の瞬間 シーズン1

警部補 姫川玲子


竹内結子さん主演の人気シリーズ「ストロベリーナイト」といえば知っている人も多いかもしれません。

原作を読むと、竹内さんの演技がとっても良いものであったなあと今でも思い返されます。

27歳で警視庁捜査一課 警部補の姫川玲子は、ノンキャリアとしては異例の速度での出世です。

姫川が出会う事件も周囲の刑事たちもクセのつよいものばかりですが、自信が率いる「姫川班」の刑事たちと協力し、事件に立ち向かっていきます。

女性警察官が主人公の作品では、主人公の警察官には心理学や暗号を解読する力など特殊技能を持っているケースが多いのですが、姫川玲子に関しては刑事そのものの実力で魅せているのも、逆に面白いところです。

「ストロベリーナイト」については、映像のあるテレビドラマより、文字だけの小説の方が遙かに衝撃的でグロテスクな表現があるな、と思いました。

これは、作家である誉田 哲也さんの力量の一部なんだなと思うと、なかなかどうして恐ろしいものです。

この作品についてはドラマを観てから原作を読んでいるため、キャラクターに顔や声が結びついて読み進めるのが楽でした。そして結びついたときに違和感がほとんどありませんでした。

記事執筆時、シリーズ全10巻。

脳科学捜査官 真田夏希


医師免許を持ち、神奈川県警で初めて心理職特別捜査官に選ばれた真田夏希が神奈川県の様々な舞台で難事件に取り組む作品。

犯人の心理分析をすることが多くSNSで接触するシーンも少なくなく、現代的な事件の捜査の中でのコミュニケーションに興味が持てます。

登場人物の名字がほとんど戦国武将の名字なので、キャラクターを覚えるのが大変な人であればとっつきやすいかもしれません。

実在する神奈川県の様々な場所が出てくるので、神奈川に詳しい人は楽しみが多くなるでしょう。

記事執筆時、シリーズ全12巻。

女副署長


台風直撃を目前にした夜の日、とある地方の警察署敷地内で地域課警部補の死体が発見される。殺人であることはわかるものの折からの強風・豪雨で現場の証拠は洗い流されてしまっている。

赴任したばかりの女性副署長・田添杏美は捜査畑出身では無かったものの、実質的に密室ともいえる警察署内での事件の解決のために動く、というストーリーです。

著者の松嶋智左さんはもと女性白バイ隊員という経歴で、小説の中に出てくる警察官の表現や心情の描き方が、他と違う気がします。

第一作の序盤、状況を描くシーンがちょいと長めでなかなか事件が発生せず、これはミステリーなんだろうか?と感じたところだけは読むのが大変でしたが、あとは本当に引き込まれていきました。

2冊目の「緊急配備」編も人のしがらみや地域署の特色を十分に活かした展開で、読み応えたっぷりでした。

僕もそうですが、心情の描き方の好みが合う人ならマンガ・ドラマ・アニメで人気の「ハコヅメ」が好きな人にはお勧めの作品です。

記事執筆時、シリーズ全2巻。

刑事に向かない女


採用試験の勘違いから警察官になってしまった椎名真帆は交番勤務から刑事になって殺人事件を捜査するようになっていきます。

ほかの小説作品に比べ、椎名真穂にはスーパーマン感もなく、情熱的に燃えるような熱い警察魂も感じられませんでした。

しかし、思い過去を引きずりながらも前向けに真摯に捜査に取り組むようになり、数時間で読める一冊の中で確かに成長していく主人公を感じられます。主人公の成長幅が最も大きい作品の一つかもしれません。

特殊技能がないところはストロベリーナイトの姫川玲子と同じで、特有の勘働きを持っているのも共通しています。勘働きの良さを上手に描けている作品は、捜査の転換にすっとついて行けるので読みやすいですね。

記事執筆時、シリーズ全3巻。

警視庁文書捜査官


文書から、その記述者の人柄・性格などを推測し犯人像を見立て、推理に役立てる。警視庁捜査第一課文書解読班の鳴海理彩が、現場に残された様々なメッセージを読み取って、時には捜査を進展させ、時には犯人に近づいていく。そんなストーリーです。

鳴海はあくまで頭脳担当、部下の刑事に体育会系もおり、文書解読班としてのチームで活躍していきます。

シャーロック・ホームズの「踊る人形」はミステリーに詳しくない僕でも知っているくらい有名な暗号解読ものです。

読む前はこうした解読モノなのかと思ってもいたのですが、さにあらず。犯人や関係者の生活に密着したメッセージも残っており、鳴海の頭脳と、鳴海や部下が現場を回って得た情報を合わせて謎を解いていく所に推理の面白さを感じました。

この作品は「未解決の女」シリーズとしてドラマ化されています。ドラマは未見です。

記事執筆時、シリーズ全8巻。

ハコヅメ


元警察官だった泰三子さんが描く、架空の警察署「町山署」の交番勤務の女性警察官・河合麻依の日常から事件・事案対応まで様々なシーンを描いたコミックです。

2021年にはドラマ化、2022年にはアニメ化されています。

ほかの作品と大きく違うのは、事件解決が話の主眼ではないことから、話によっては事件解決後のデスクワークに苦労する刑事の姿が描かれていたり、合コン中に呼び出されて署に戻る独身刑事の悲哀が描かれたりしているところです。

なんとない按分としてはコミカル7・シリアス3という話題の配分ですが、そのシリアス部分では上に紹介したミステリーに勝るとも劣らない警察官の物語が描かれます。

シリアス側でとりわけおすすめしたいのはスピンオフ作品のハコヅメ~交番女子の逆襲~ 別章 アンボックスと、20巻です。

アンボックスは時系列的には17巻から18巻にかけてくらいの話、20巻は2022年3月時点での最新刊。できればそれ以前の巻を読んでいた方が登場人物の人となりが分って、より楽しめるでしょう。

アンボックスでは生活安全課の黒田カナ巡査長がとある男女の諍いの事案について取組み、悩み、奮起し、解決後に再び悩む物語。この1冊だけでも警察官の等身大の悩みを体感できるかのようです。

20巻は、1巻から出てくる交番所長の過去と現在に絡む事件の話。とはいえ交番所長が20巻でいなくなってしまうわけではありません。

ドラマではムロツヨシさんが演じていた交番所長はとっても陰のある人物で、その陰が浮かび上がってきます。オトナの怖さが伝わってくる作品でもあります。

作品全体を通して面白いので、ぜひ読んで頂きたいです。

2022年1月5日放送開始アニメ「ハコヅメ」が原作に忠実でとても面白い

Kindleすら面倒臭いというかた、アニメがかなり原作に忠実なので雰囲気を味わえますよ。

記事執筆時点で全20巻+スピンオフ1巻

登場人物の工夫が見える作品が多い

僕が子供の頃の「刑事物」というと主にテレビで、サングラスをした刑事がたばこをくわえて動き回り、なぜかライフルで車を狙ったり、いろんなところでドンパチしたり、しょっちゅう殴り合っていたり、割と簡単に刑事が殉職したりしていたものです。

刑事物の小説はすみません、読んでいませんでした。

月日が経ち、警察のドラマの中にも知的犯罪が増えてきたり、女性を主人公にしたものも増えて来ました。

女性警察官が主人公の警察ものの作品は、主人公が屈強な男とと肉体的に戦って勝つ、というシーンを簡単に見せてしまうと嘘っぽさが残ります。そういうシーンは周囲の刑事に任せつつ、頭脳・感情を活かした活躍をしているものが多くなっている傾向があり、そこでの工夫で面白さが増しているように思います。

ここで紹介した作品はいずれも読んで良かったと思ったものばかり。

小説はもちろん嗜好品なので人によって好みはあると思いますが、何か読んでみようかな、と思ったらぜひ参考にしてみてください。

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