ライターノウハウなど 運営論

AWS技術支援で日本一。クラスメソッド社の技術ブログはオウンドメディア運営者が参考にすべき

2019/09/13

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企業ブログの理想形ですよ。

ご縁があって、世界トップクラスのAWS技術力で企業支援をしているクラスメソッド様の導入事例や人物取材のお仕事をさせていただいているのですが、そこでエピソードを聞けば聞くほど、クラスメソッドが運営している企業ブログはすべての企業メディアのお手本になるものだと感じています。

先日、「オウンドメディア「ブーム」終焉と、編集者たちの「その後」のキャリア」というイベントに参加し、企業自ら情報発信をすべきだという流れ自体は勢いがまったく衰えていないと実感しました。そうした情報発信の好例が、まさに同社の技術ブログです。

どうすごいのか、この事例をみてほかの企業がどんな部分を真似できそうなのかを、オープンになっている部分をもとにお伝えいたします。

※技術力が高いことは間違いなく、また、その他の経営努力もなさっていることも疑いようがないのですが、本記事の趣旨は同社の技術ブログがオウンドメディアとしてのありようとして参考になるという点でありますので、技術ブログにフォーカスしてご紹介します。また、僕が勝手に書いているだけなのでPR記事でもありません。あらかじめご了承ください。

クラスメソッドの企業ブログ「Developers.IO」は自社の技術力を示している

導入事例でお客様にインタビューしたときのこと。
どうしてクラスメソッドに依頼したのですか?という質問の回答としてよく出てくる言葉として

「AWSの技術情報を調べているとしょっちゅう同じ技術ブログに当たるんです。それは
Developers.IO
というブログで、その運営会社を調べたらクラスメソッドだったんです」

というもの。発注時に相見積もりを取る流れになるのが普通ですが、その時既に、技術的な安心感でクラスメソッドがリードするんですよね。

相見積りは必ずしも安い業者を選ぶため、というものではありません。価格と提供サービスのバランスをみて発注するに相応しい会社を決めるもの。

クラスメソッドは価格面の優位性が高いことも多いのですが、

「最安値ではなかったのですが、技術力・サポート力を含めてクラスメソッドを選びました」

といった企業もありました。実力と説得力で最初から頭ひとつ抜けだしているケースが多いんです。

既に築き上げられているブランド力ももちろんのこと、技術ブログの情報発信に説得力があり、この会社なら信用できると思われるからこそですよね。

個人の技術力の高さと会社の信頼性の高さがうまくシンクロしているイメージが、 クラスメソッドにはあります。

▼以下リンクは私がクラスメソッドの導入事例ブログで取材・執筆したものです。同社の技術ブログの愛読者からの信頼が分かります。
SNK様事例|容量不足とセキュリティ周りをAWS利用で改善した SFTPサーバのリプレース支援|クラスメソッドの事例

Developers.IOを読むユーザー企業の「AWS担当」の目にとまる

今どきはクラウドの時代ですし、世の中の大なり小なり多くの企業が何らかの形でクラウドを活用しています。極論、Gmailを使っている企業はクラウドを使っていますよね。

そこまで敷居が低くなっているクラウドですから、企業のIT担当、情報システム担当みたいな人が上司に命じられてクラウドの調査をしたり、情報システム部門がコスト削減のためにクラウドを調べ始めるわけです。

そこでAWSやAWSの関連技術を検索すると高確率でヒットするのがDevelopers.IOとなり、このブログは誰が運営しているんだ?という疑問を持つとクラスメソッドにたどり着く寸法です。

Developers.IOはエンジニアが楽しんで記事を更新している企業ブログ

Developers.IOを更新しているのは同社のエンジニア。

記事を書いているエンジニアの話を伺うと、総じて楽しんで記事更新をしているようなんです。

そのモチベーションはいろいろです。投稿数に応じて「リボン」の色が変わるといったゲーミフィケーション的要素があるようですが、エンジニアのモチベーションはリボンでないところにあるように思いました。

ペイフォワードを意識しているDevelopers.IO

技術力の高いクラスメソッドのエンジニアだからといって、すべてのエンジニアが完全に独学で学び、全員が全ての技術に精通しているとは限りません。

一口にAWSといっても、その技術領域は様々で、1人のエンジニアがすべての領域を完全に網羅したスーパーエンジニアになるのはまず無理。でも、クラスメソッドの社内には、AWSの十分な知識(=共通の教養・素養)を持ち、自分にない専門領域の知識を持っているほかのエンジニアがたくさんいます。

自分がわからないことは社内の近くのエンジニアに聞けば、すぐに教えてもらえます。教える側が気持ちよく教えてくれるから、自分の知識も誰かに伝えよう、そんな気持ちでブログに書くエンジニアが少なくないんだそうです。

▼コンテナと言えばこの人!という技術力を持つクラスメソッドの濱田さんも社内の技術力に助けられ、また助けている一人(奥野取材記事)
ブログが人生も会社も変化させる――執筆を通して経験・知識をつないでゆく|クラスメソッド株式会社

エンジニアとしての価値も高まる

情報発信をする人の元に情報は集まる、というのは 多くの情報発信者が語りますが、クラスメソッドのエンジニアにもその精神があるようです。

AWS界隈で確たるブランドのあるDevelopers.IOで技術記事を書いているということは、それだけですでにTech系イベントで登壇したり技術情報をメディアに寄稿できる力量があるということ。

そういったエンジニアには、様々な情報が集まってくるものです。そうしてさらに良いスパイラルが出来て、個人の価値も高まっていくんですね。

インタビューの中で印象的なことをおっしゃっている方がいました。

結局、書く側が一番勉強になるんですよね。

といったことです。自社エンジニアが自社ブログを通じて技術力を社会に提示し、しかも自らのスキルアップにも繋がっている。

これは企業ブログとしては理想形の1つです。こんな台詞、社員に言わせたいですよね!

▼書く側が一番勉強になっている、と語る同社のセキュリティエンジニアの記事(奥野執筆)
自衛官からコンサルタントへ──クラスメソッドの“セキュリティ”を支える知見と情熱|クラスメソッド株式会社

企業ブログは何を目指せばいいのかをDevelopers.IOから考える

Developers.IOが良い企業ブログだとして、では他の企業はそれをどのように見習えば良いのでしょうか。

そのポイントは、

自社の強みを、社員が『自主的』にブログの形で表現しているかどうか

ではないかと思います。

聞くところによるとDevelopers.IOでは個々のエンジニアにそこまで、やれSEOだ、やれコンテンツの書き方だ、といったルールは設けてなさそうなんですね。エンジニアさんのパッションに任せているように感じます。

でも、その結果どうなっているかというと

  • 企業にとって重要なAWSに関わる技術がたくさん集まっている
  • アメリカで発表になってまもない知識が日本語になり、検証もされたうえで情報が公開されている
  • その技術レベルとボリュームが上手に伸びるため、結果的に評価の高いブログになっている

ってことなんですよね。これによって企業価値が高まり、未来のクライアントに情報が届いているわけです。

メーカーの場合

メーカーの目的は自社製品が買うべき人・企業に届くことですよね。

自社製品を「使ってみた!」というブログ記事で、宣伝臭が多少あってもいいから実際の利用シーンを見せてみるのはどうでしょうか?もしくはライターやブロガーに書いてもらう手もあります。

ノベルティになるような製品を提供している場合には、ノベルティになりました!というような報告もすると良さげです。製品がどのように使われているかを少しでも広げていくのが良さそう。

使いづらい部分やこういう人には向いていない、ということも、ある程度正直に書いてしまっていいと思うんですよね。

使い分けが効くのであれば、自社製品にせよ他社製品にせよ、どういう場面でどの製品が便利、というのがわかるのが利用者にとっては一番です。製品の設計思想もあわせて説明することで、結果的に自社の製品の特徴・長所が説明できればいいんです。

「あの商品を調べたいからあのメーカーのページを見よう」

という読者がまず増え、そのうちに

あの製品ジャンルを調べたい。あの企業のページに出ていないかな

という読者が出てくるようであればしめたもの。

そういった製品の紹介や製品ジャンルの中での立ち位置の説明を、例えば研究職やマーケティングのスタッフが日頃から好んで発信する企業サイトがあったら素敵だなあ。

サービス業の場合

サービス業の企業にとっての狙いはサービスを新規に使っていただくこと、より高級なサービスに利用者がステップアップしてくれることだと仮定すれば、自社スタッフが

  • サービスの良さ
  • 高級サービスがさらに便利なところ

をいかに伝えるか、ですよね。

Webサイトの公式的なところに出てくる情報は抽象的、汎用的になるものです。

そこで大きな網を投げることが大切なのでそれはやるべきで、逆に企業ブログの中で、特化した箇所・ニッチな箇所・こだわっているところを伝えていけばいいかなと思うんですよね。

サービスにだって必ず「ジャンル」があります。飲食店のサービスであれば料理の国であったり、カフェ・居酒屋といった区分があります。情報サービスだって、経理代行システムやコミュニケーションサービスなどあるわけです。

そうしたジャンルの中で、活用事例、ニッチな使い方、サービスに関わる周辺知識など、企業の中の人だからこそ覚え学んだ知識があるはずなんですよね。そういう情報を惜しみなく出していくことで、企業の価値も、そのスタッフの価値も、共に高まっていきます。

楽しんでいる情報発信は自社にも読者にも優しい

その製品・業界・技術について楽しんで情報発信している企業は、結果的に自社にも読者・クライアントにもメリットを与える情報発信をしていることが、クラスメソッドの社員やクライアント企業の取材を通して伝わってきました。

Developers.IOは結果として同社の技術力を世に知らしめたり技術力の裏付けを取れたりしながら、受注に繋がっています。その技術力は企業としてだけではなく、情報発信をするエンジニア個人としても認められ、企業からご指名で案件を頂くこともあるようです。

根本的な秘訣は情報を発信するエンジニアが楽しめていることなのでしょう。この点をクリアできれば、様々な専門技術を持つ企業は自社ブログを活用して自社の価値を高めていく方法があるのではないでしょうか。

▼クラスメソッドのエンジニアも寄稿しているクラウドエンジニア向けムック

事例取材のライティングなどご相談ください

自社サイト内で製品や業界の良い所を発信していきたいけれど書き手がいないという企業のみなさま、ぜひご相談ください。

御社製品・サービスの良い所をクライアントに取材するようなお仕事を請けております。取材・執筆の他、ブロガーなどを活用したPRを進めたいということであれば、そのご相談もお受けできます。

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